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研究案内

びまん性肺疾患

1.サルコイドーシスの新規バイオマーカー・治療標的分子の探索

オートタキシン(ATX)はリン脂質代謝酵素であり、リゾホスファチジルコリン(LPC)を分解し、臓器の線維化を引き起こすリゾホスファチジン酸(LPA)の産生に寄与します。我々は東京大学との共同研究により、肺病変を有するサルコイドーシス患者の血清および尿において、ATXがサルコイドーシス疾患関連マーカーとなりうる可能性について検討を重ね、疾患活動性とATXの相関が認められるなどの成果を2021年度のJRS、APSRで報告しました (Murakami K, Tamada T, et al. Sci Rep 2022)。また、サルコイドーシスの新たな治療標的を探索すべく、東北大学と第一三共株式会社と共同で運用するTOIDS運営委員会のもとに、新規抗原検出を目的とした網羅的探索を行っております。本研究により新規治療分子が同定され、副作用の多いステロイド治療に代わる、分子標的薬創成の一歩となることが期待されます。

 

 

2.びまん性肺疾患の臨床研究

本年度からこれまで以上にびまん性肺疾患の臨床研究を活発化するために、新たな症例データベースの確立、定期的な症例カンファランス、月1回のmultidisciplinary conference(MDD)カンファランス、バイオバンクへの検体保管の促進などの新しい活動を行なっています。また、全国規模の他施設共同研究(PROMISE試験、IBiS試験など)への参加や治験(IP, PAPに対する新薬開発)などへの協力も進めています。今後も各専門科が揃う大学病院の強みを生かし、臨床研究を推進していきたいと思います。

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