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杉浦教授挨拶

令和2年4月1日をもちまして東北大学大学院医学系研究科内科病態学講座呼吸器内科学分野教授を拝命いたしました。当教室は1916年に東北大学医学部旧第一内科を母体として誕生しました。誕生以来、100年以上の歴史を有する当教室は国内有数の呼吸器内科学教室として発展してまいりました。当教室は現在、20名のスタッフならびに20名の大学院生で運営されており、国内屈指の規模を誇る呼吸器内科学教室です。以下、当科の特色についてご紹介いたします。

臨床面において、呼吸器内科は喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)に代表される閉塞性肺疾患、肺癌などの呼吸器腫瘍疾患、びまん性肺疾患、呼吸器感染症、肺循環、睡眠時無呼吸症候群、さらにサルコイドーシスをはじめとする呼吸器稀少疾患など多種多様な疾患を担当しています。急速な高齢化が進む我が国において、呼吸器疾患を罹患する患者がさらに増加することが予測されています。今後、我々呼吸器内科医の担う責務が急速に高まる状況を踏まえ、一人でも多くの優れた呼吸器内科医を育てることを通して国民の皆様の健康に貢献して参りたいと考えております。また呼吸器内科は直接、生死に関わる疾患を診療する科です。このため、迅速かつ的確な判断や全身性疾患に対する深い知識と理解が求められます。当科では、これらの多様かつ生命予後に直結する疾患に対応すべく、各呼吸器疾患領域のエキスパートを揃え、いかなる呼吸器疾患にも対応できる体制を構築しております。現在当科は52床の病床数を保有しております。研修・教育体制も充実しており、豊富な症例と多様な呼吸器疾患に対する診療を効率よく経験・習得できる体制が整っていると自負しております。これから呼吸器内科を目指す若い先生にはぜひ一緒に呼吸器内科学の楽しさ、奥深さを共有していければと考えております。

研究面においては、トランスレーショナルな研究手法を駆使した閉塞性肺疾患に関する基礎研究・臨床研究を行っております。具体的には、豊富な臨床検体を用いて、種々のオミックス解析を通して新規の疾患関連分子を解明します。in vitroの研究や遺伝子改変動物を用いたin vivoの研究を行うことで疾患の病態における役割を明らかにし、大規模疾患コホートを用いて検証する研究を行っています。そして最終的には、疾患関連分子バイオマーカーの創出や実用化、ならびに創薬を見据えた研究をこれからも継続して参ります。また当科では、肺癌に関する基礎研究ならびに大規模臨床研究を推進しております。とりわけ、肺癌の発症や進展に関する基礎研究ならびに腫瘍免疫に関する研究を行っております。また、肺癌治療のエビデンス構築に向けた治験や多施設共同研究を進めております。さらに当教室では、基礎分野の教室と連携し、種々の呼吸器疾患の病態関連分子に関する研究を行っております。東北メディカルメガバンク機構とも連携しCOPDに関する大規模臨床コホート研究も推進しております。今後は、びまん性肺疾患ならびに呼吸器感染症領域の研究についても注力してまいります。研究業績の項でもお示ししました通り、当科の論文は呼吸器分野のトップジャーナルに多数掲載されており、科研費などの研究費の取得額も全国でトップレベルを誇っております。呼吸器病学の発展を担う若い先生方のご参加をお待ちしております。

最後になりますが、医局員一同、呼吸器病学の発展のために世界を意識した研究を推進し、先人の先生方が築かれました当教室の輝かしい歴史と伝統をさらに発展できるよう研鑽、精進してまいります。

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