気管支喘息

病態

気管支喘息とは、慢性のアレルギー性炎症が気道(気管や気管支)に生じる疾患です。患者さんの気道は各種刺激に過敏となっているため、発作的に気道が狭くなることで咳や喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒューした呼吸)、呼吸困難の症状を引き起こします。炎症を引き起こす要因としてダニやハウスダスト、ペットのフケ、カビなどの吸入抗原がありますが、その原因物質が特定できないこともしばしばあります。

診断・検査

呼吸機能検査で気道内の空気の流れが悪くなっていないかどうか調べます。気管支拡張薬を吸入することで、その流れが改善すれば喘息の可能性がより強く疑われます。また、喘息に特徴的な炎症が気道に存在しているかどうかも評価します。これには、息の中に含まれる一酸化窒素濃度の測定、痰の中の細胞成分を調べる検査があります。血液検査でアレルギー体質かどうかなども検査します。

治療

このように気管支喘息の病態はダニやハウスダストなどに対する過剰なアレルギー炎症ですので、治療の主体は吸入ステロイド薬により炎症を鎮めることです。喘息の重症度に応じてその量を調整しますが、効果が乏しいときは他の薬(気管支拡張薬や抗ロイコトリエン拮抗薬など)を追加します。しかし、このような治療薬を使っていても喘息症状が残存したり、発作を頻回に起こす重症な喘息患者さんがいます。重症喘息の患者さんの中には、生物学的製剤(抗体製剤)が有効な方もいますので、医師とよく相談して治療方針を決めていくことが重要です。

宮城県内で、アレルギー専門医が在籍している医療機関を掲載しています。
アレルギー疾患でお悩みの場合には、専門医に相談しましょう。